虹釜太郎 noteアカウント開始!テキスト5タイトルリリースです!

虹釜太郎とは

90年代伝説のレコード店「パリペキンレコード」("音響"という区分け概念を生んだ場所としても有名)の店主であり360°recordや不知火を中心にRADIOやVIOLAその他沢山のレーベルを精力的に運営していた人物、それが虹釜太郎。
彼が運営していた沢山のレーベルからはアブストラクトヒップホップ、アンビエント、辺境的なテクノ、ざらついたドラムンベース、ジャズエレクトロニカ・・・様々なフォームの音楽があふれていて、リリースしていたアーティストを列挙してみると、Computer Soup/tsuki no wa/JIGEN/woodman/the pitchshifters/miroque/ARAKI KENTA/DJ AKASHI/POTORATCH/itoken/minamo...およそ書ききれないほどのアーティスト達をドロップしていて大まかに2つに分けると音楽の芳醇さ関係を360°と関連レーベルで、音楽の闇と大きな不思議を不知火と関連レーベルで世に吐き出していたという印象。またその両方にも通底するどうにもならない奔流みたいなものが静的に漏れていくのがRADIO関係、途方もない音圧とバグでクラッシュしていくのがドリフター関係という感じでしょうか。
※360°、不知火関連音源はロスアプソンで一部購入することが可能です!
虹釜太郎氏はレーベル運営はスローペース化しつつも自身のソロピアノ作品やコラージュ的なMIX群は各所で吐き出しつつ
文筆関係も物凄い事になっているのです。

コピーZINEの体裁で発売されていたテキスト群は食にまつわるもの、ゲームにまつわるもの、たぬきにまつわるもの、アンニュイという概念の研究などなどそのテーマ性も独特で読む者なぞの中のなぞへ誘いながらもなぞの解像度がどんどんこまやかになり明瞭ななぞに叩き込まれると同時に突然の(了)の文字、場合によってはMIXCDRによる補完と、サイケデリック体験としては上質です。が、このテキスト群の凄い所は、虹釜太郎氏はサイケデリックとは別の明瞭な謎の世界からこの文章を発信しているというところだと思います。物凄い比喩が連発する世界でもそのテキストは氏の実生活の事であったり、実生活から連鎖した思考の断片であったりするのです。Quick Japanに連載されていた「世界の辺境スパイス部」では後のテキスト群で少しづつ明らかになっていく過激とも思える食に対するミニマルなアプローチがその後カレー関係のテキストをまとめた文庫、4冊のカレー野獣館(円盤よりリリース)にもブレることなくつながっています。

そんな虹釜太郎氏のテキスト群を気軽に読みたいというのが僕も含めて虹釜太郎ファンのささやかな願いだと思いますが、今回その期待に虹釜太郎氏が応えてくれてた形で虹釜太郎noteアカウントがスタートしました!
スタートでUPされたテキストは
以下の5つ、全て200円になります。

▼麺屋露骨 牙弄けちがん
麵屋露骨と八角女、架空中国の麺歴史絵巻の中に何かの奥義が隠されているかのような幻想文筆。リンク
▼つる姫の霧麺
つる姫の所望する麺と食べられることのない献上麺の数々。瞬間登場する献上麺についてだけでも相当のボリュームのバックグラウンドを感じさせる幻想献上麺文筆。リンク
▼麻婆寿限無 壱
麻婆の涅槃に待つ無限麻婆紹介の壱。これも全て麻婆なのかと思うと気の遠くなる幻想麻婆文筆。リンク
▼髪切菓子店
完全にマザーグース異世界の闇がこちら側に漏れ出してくる暗黒幻想菓子文筆。リンク
▼食べれるカレー食べれないカレー 眠れるサモサ眠れないサモサ
円盤からリリースされた文庫カレー野獣館の黄の元となった旧『カレー野獣館』の≪壱≫≪弐≫に基づいた解題集であり、文庫とは関連しつつも別テキストとなります。リンク


以上5タイトルがリリースとなりました。今後の虹釜太郎noteアカウントでは週刊ペースでのテキストの更新がありますので氏のファンの方は是非チェックしていて下さい。

また過去テキストのアンソロジーをリリースする電子書籍プロジェクト"パリペキンブックス"、虹釜太郎関連音源を電子配信するレーベル"Paris Peking"の告知も近日出来るよう急ぎます。氏のファンは震えて待っていてください!

尚、円盤からリリースされているカレー野獣館の4冊も物凄いのでファンはマストです!以下円盤のサイトからコピペです。


●虹釜太郎「カレー野獣館」(各800円)
「カレー野獣館・赤」(本)
「カレー野獣館・黄」(本)
「カレー野獣館・緑」(本)
「カレー野獣館・黒」(本)
「カレー野獣缶(カレー野獣館SPECIAL EDITION)」(4冊セット+CD-Rやステッカーなど、おまけいろいろ90箱限定/5,000円)
その才を知る者たちからは絶大な支持、を越えた敬意を持って語られる異才中の異才、虹釜太郎初の書籍。
90年代初頭に、今や伝説となっている世界の謎音楽専門店パリペキン・レコードをタワーレコード渋谷店の隣のビルで開業。仕切り棚の意味すら判らない独自のジャンル構成で衝撃を与え、今や世界で使われている「音響派」という語が、実はパリペキンの仕切りが発祥というのは有名な話。その後、不知火、360°などのこれまた伝説となっている謎音響レーベルを運営し、ここからAMEPHONEやtsukinowa、ARAKI KENTAmiroqueなどの異才が次々登場。東京の音響派の一時代を築きました。
パリペキンでのレコード紹介文や自身のレーベルでの作品紹介文が、すでに文学の域にある奇才ぶりを示し、数々の出版社から個人まで、虹釜太郎の書籍を出すことに挑戦。しかし、どういうわけか実現することがなかったのは本作を読んでいただければ納得してもらえるのでは。その難解というか、イメージがとんでもなく飛躍したどこかの国の伝説を記述したかのような文章は、詩のようでもあり、幻想文学のようでもあります。
本作は、その虹釜太郎が、この十年ほど取り組んでいる、食に関する様々な試みと思索がエキスとなったスパイスを起点にした幻想的な作品です。この文章は、コピーの冊子で、とんでもない数の食を中心にした作品でも一部で発表されており、中でも話題を呼んだ「カレー野獣館」をほぼ十倍のスケールに大増補したものです。
赤、黄、緑、黒、の文庫サイズの四冊が同時発売!
後の世に奇書として残ることは必至!心して読むべし!

今、円盤は本当にこれを読んでほしいと思ってます。もちろん買ってほしいけど、買ってほしいというより読んでほしいんです!というのも、この本、「わからない」って言っていいものとして棚上げされてしまってる気がするんですよ。こういうこと本当によくあって、「素晴らしい」とか「怖い」とか大雑把な反応を許されたものにまともに向き合ってくれない。みなさん「時間がない」んでしょうから反応の仕方を世の中になんとなく決めてもらえるとすぐにそれになびくけれど、作品は味わってもらわなきゃ淋しいです。
「素晴らしい」作品の中身はどう素晴らしいのか、本当に素晴らしいと感じているのか。怖いとされたものは、どう怖いのか、本当に怖いと感じているのか。「いやー、わけがわからないですよ、とにかく凄い!」という「カレー野獣館」は本当にわけがわからないのか?本当に凄いと感じているのか?

この本の元になったコピー冊子をはじめて読んだとき、僕は「わからない」ということより「なんだこれは…」と思いました。吸い込まれるように読んで、「判ったか?」と問われれば「いや…」と言う他ありませんが、「判る」ことってそんなに大事ですか?創作なのに。創作された、この現実世界になかったもの、これまでの人生で知覚できなかったものが虹釜太郎の創造性によって、文章の形をとった作品になったわけで、「判る」ことができなくても作品として「味わう」ことはできるはず。そういう意味では僕は「カレー野獣館」を確かに味わったし、それはカリー番長水野仁輔さんの帯文にあるように「ときにどろおどろしく、ときに滑稽で、集中して読むと頭がくらくら」しましたよ、僕も。ついでにすごくわくわくしました。だから改めて形にして発刊したいと思いました。

「カレー野獣館」は散文詩みたいになったり、アヴァンギャルドな展開をすることはあっても、基本的には「とある世界での物語」だし、僕には「スパイス千夜一夜物語」のようで、どこか異世界のおとぎ話を読んでいるような気分。こころがもやっとしたり、不安になったり、爆笑したりして楽しみました。対象を批評して位置づけたい人には難敵でしょうが、未知の物語の扉を開くつもりだったら、こんなにわくわくをそそられる世界はないと思ってます。野獣館はそんな風に入っていけば、たっぷり楽しめますよ。
「缶」の方はそれにさらに体感をプラスしたお楽しみ物体です。付属のCDを聞きながらスパイスの香りのなかで読んでください。なんだかバカバカしくなってきて、思わず笑みがこぼれること請け合いです(笑)!缶が無くなり次第終了です。

以下は四冊の帯コメントです。

\(-♪-)/ 言音一致の純音楽家 エンケン
「カレーは、真ッ赤も、真ッ黄も、真ッ緑も、真ッ黒も、蝉も、この宇宙の、喜怒も哀楽も、滅びも、活きも、遺伝子137億年ぶんの、濃縮、煮汁だ!
だから、中でも、君が、とりわけ、相性の好いカレーに出会ったら、ワタシハコレダ!と、60兆の胎内細胞=60兆の銀河は、137億年ぶんの、確信に、滾(タギル)るのだ!
ソウ!〜♪君も猫も僕も♪〜カレーと言えば、壱弐が遠賢、参が水仁カリー番長だ。
そして、当本を、読むからに、難解カレーの、名文、迷文が、ズラリ。カレーとは、よくぞ、こんなに、在るもんだ!」

東京スパイス番長、東京カリ〜番長 水野仁輔
「ときにおどろおどろしく、ときに滑稽で、集中して読むと頭がクラクラします。カレーを軸にこんな摩訶不思議な世界が繰り広げられるとは……。カレーという食べ物には、料理を超えた可能性があるといつも感じていますが、いやぁ、恐れ入りました。僕もなんか探さなきゃ。」


映画監督 いまおかしんじ
「カレーを食べすぎて、狂ってしまった人の日記のようだ。たかがカレーに、これだけの言葉とエネルギーを注ぎ込めるなんて、アホで最高。」


詩人 三角みづ紀
「暴力的なのに紳士で優しい。恋愛に似ている。」